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ドーパミンの正体と作用〜依存症と生産的行動〜

2022年10月28日

こんにちは、おりぐです!

今回は脳内物質の中でも最重要かつ、皆さんも聞いたことがあると思われるドーパミンについてです。

ドーパミンと聞いてどんなイメージを持ちますか?

『気持ちよくなるやつでしょ?』『中毒になるやつ?』『なんか聞いたことあるけどよくわからない。。』などなど、

理解度は皆さんそれぞれだと思います。

このドーパミン、良くも悪くも人を支配してしまう脳内物質なのです。。ギャンブル中毒やお酒中毒、ゲーム中毒などもこのドーパミンが関係しています。そう聞くとなんか怖いですよねw

しかし、このドーパミンの特性を理解し、味方につけることができれば人生を激変することができます!

また、私の気持ちの入れようが強いので、このドーパミンについては2部構成になっています。

前編はドーパミンの正体と作用について、後編はドーパミンを味方につけ、依存症からの脱却や人生にいい習慣を取り入れる方法について解説しています。それでは一緒にドーパミンについて学んで行きましょう!!

なぜ人は頑張れるのか? なぜ人は依存症に陥ってしまうのか?

ドーパミンとは?


ドーパミンとは別名、快楽物質脳内麻薬とも呼ばれています。これだけ聞くと怖いですw

しかし、このドーパミンは人間の意欲、記憶、学習行動、認識、睡眠、注意などへのいい影響を与え、安定していれば物事への意欲が維持されやすいという何ともありがたい働きをしてくれます。

ドーパミンが放出されるいい例としては、あなたがもし大学合格のような目標があり、ひたむきに勉強をして、いい成績を残し、両親や友達からも褒められるとドーパミンが放出され幸福感を感じます。

そこであなたはまたその幸福感を感じたいと思い、さらに勉強をするという好循環が生まれるのです。また、ここではいい結果が出たという状況を仮定して話をしましたが、実は大きな目標に対してスケジュールを細分化して小さな目標を達成するだけでもドーパミンが放出されます。

もしあなたが、毎日参考書を1ページだけやるという目標を掲げたとして、それを達成するだけでもドーパミンが放出して幸福感を感じることができるのです。もちろん大学に合格した時(大きな目標を達成した時)にはより多くのドーパミンが放出され、より大きな多幸感を感じられることは言うまでもありませんw

さらにはドーパミンは簡単な運動を行うことでも放出されます。簡単な運動とは10分程度の散歩でも構いません。もしあなたが今、少しでも心にもやもやや不安を抱えているのであれば、騙されたと思って10分程度散歩してみましょう。

ドーパミンとドーパミン受容体(レセプター)について


ドーパミンが放出した時にそれの受け皿となるドーパミン受容体、レセプターというものがあります。

少し専門的な話になってしまうのですが、このドーパミンとレセプターが結合することによって報酬感覚、幸福感を得ることができます。

このことが意味することは、いくら大量のドーパミンが放出されたところでレセプターがうまく働かなければ、幸福感を感じることができないのです。

元も子もない話なのですが、人は生まれつきこのレセプターが敏感か鈍感か決まっており、敏感な人は少量のドーパミンでも幸福感を感じることができ、鈍感な人は幸福感を得るためには大量のドーパミンが必要となってきます。

人生を左右するようなギャンブルや、勝負事に常に身を置き続けたがる人は総じてレセプターが鈍感な人だと言えます。レセプターが鈍感な人は敏感な人より人生損してない?と感じたのは私だけでしょうか?笑

さらにドーパミンが短期間で何度も放出され、レセプターの許容値を超えると、レセプターが壊れてしまうという研究結果もあります。

その状態になってしまうと、たとえ快楽や幸福感を感じてしまっても、レセプターが壊れてしまっているために、通常の長さや深さで幸福感を感じることができずに、すぐにまた幸福感を得たいという衝動にかられてしまいます。

そうなると更なる過激な体験や報酬を必要とし、少しでも、短期的でもいいから幸福感を感じたいがためにだんだんと行動がエスカレートしていきます。

これが依存症という悪循環なのです。

ゲーム、タバコ、ギャンブル、お酒、買い物など、これらは全て小さな行動で何度も簡単にドーパミンを出せてしまうので依存症になりやすいのです。

そして、これらが深刻な場合には、意欲や集中力の低下、不安や焦燥感、憂鬱、頭痛、不眠、興奮、下痢、幻覚などの禁断症状に見舞われることもあります。

悪名高き覚醒剤などは、上記の少量のドーパミン依存とは比べものになりません。強制的にドーパミンを大量に放出させるために、他の依存症よりも依存度が強く、禁断症状も激しいものになることは想像できると思います。

依存症になってしまうと、ドーパミンリセット、受容体の回復が必要になります。これらの短期的な消費行動を抑制し、長期的で生産的な行動に置き換える必要があります。

前置きはいいから早く依存症脱却の方法を教えろ!!!!と声が聞こえてきそうですねw これらの依存症から脱却し、生産的な行動に変えていく方法は次の記事で紹介していますので、もう前置きや知識は十分だ!という方はそちらの記事へジャンプしても大丈夫です。

ドーパミンの恐ろしさの実験

ここまででドーパミンの強さをわかって頂けたと思うのですが、もう少しこのドーパミンの強さ、恐ろしさがわかるように、2つの実験を紹介させていただきます。

1つ目は、ネズミがボタンを押すと強制的に脳内にドーパミンが放出される装置を作ったところ、このネズミは食べることもせず、生殖活動を行うこともせず、さらには産みたての赤ん坊を無視してまでこのボタンを押し続けたという実験結果があります。

次に実験は人に至ります。

20代のうつ病の男性へ同じようにボタンを押せばドーパミンが放出される装置に渡したところ、狂ったようにボタンを一晩中押し続けたと言います。。。上記のようなネズミと同じ状況で人に対しても実験が行われた時に結果がどうなるかはわかりませんが、それだけドーパミンから得られる幸福感には生物は抗えないのです。

ドーパミンが放出される瞬間はいつなのか?

ではこの記事の最後に、ドーパミンはいつ放出されるのか?ということを話していきたいと思います。これは、報酬獲得の時と報酬予測の時です。もう少し詳しく見ていきましょう。

まず報酬獲得に関してですが、これは言葉のままで、何か報酬を獲得した時です。

それがモノであったり、SNSのいいねであったり、ゲームのドン勝であったり、人からの賞賛であったりと何か自分が報酬だと感じているものを得た時にドーパミンが放出されます。

次に報酬予測ですが、これは何かを達成しようとしている時や、何かをもらえそう、何か得れそうという時にドーパミンが放出されます。

例えば、今日プレゼンでいい感触だったから受注が取れるかもしれない!!残り1チーム倒せばドン勝だ!!なんか今日はあの子といい雰囲気だぞ、今日はいけそうな気がするぞ!!などです。

この時、結果が出ていなくても脳内ではドーパミンが放出されているのです。

そして面白いことに、人は同じ状況に慣れてくるとこの『かもしれない』状態の時、成果がより不確実でランダムの時の方が報酬獲得の時よりドーパミンが放出されるのです!!!すごいですよねw

だからこそ人はスマホ中毒になってしまうのです。スマホから何かいい情報を得られる『かもしれない』、何か面白いものを見れる『かもしれない』、この『かもしれない』状態を常に、そして手軽に作り出すことができるのが現代のスマートフォンなのです。

そしてこの報酬を得たいという気持ちと、得たという経験を何度もする事によって、強化学習が行われます。

上記のように、行動に慣れる前は報酬を得るために行動するのですが、慣れてしまうと、その報酬を得れることを匂わす場所や行動などのトリガーを察知し、報酬への渇望が生まれ、猛烈に行動したい欲求に駆られ、さらに次の行動を行ってしまう。これが強化学習です。

この強化学習は悪い方向に行くと依存症、良い方向へ行くと生産的行動にすることができます。

さて、ここまででドーパミンの基礎知識は得られたかと思います。

次回ではついに、このドーパミンを味方につけて、依存症からの脱却方法や、生産的行動を行うための習慣などを紹介していきます!

それではまた!

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